初めてのアパート探し

 

初めての!の連続!1日目

19995年3月。新婚間もない2人が、2人っきりの新生活を送るべく愛の巣探しに乗り出した。
しかし、我々は、海外生活がはじめて!どころの話ではなく、外国の地を踏むのも(夫なんぞは飛行機乗るのさえも!)初めて!!
なんと、無謀なぁ!という奴らどもで、おかげで、全く夫の会社の方にご厄介になることに!

この面倒な奴らを引き受けてくださった、忍耐強い彼女を仮にO氏としておこう。
彼女は、サンジェルマン・デ・プレのど真ん中の40u弱・風呂おけ付き・暖房無し・エレベーター無し4階・築100年以上で5000フラン程度のスチュディオに住んでいらした。
なかなか風情のあるいいアパートだったが、彼女の帰国後交代で住むには外国暮らしド素人の我々には住みにくいかも・・・築100年以上ものアパートになると、水周りや暖房やなんやらの故障といったトラブルが、やたらとしょっちゅう起こるんで・・・ということで、手取り足取り、アパート探しをして下さる事になった。

まず彼女がチェックしてくださったのが、ミニテルの、3615 A Loueである。
フランス人の部下に命じ、会社のミニテルにて30分ほどパリの物件を調べてもらった。

このとき、私たちが出した物件の条件とは…
50u以上2部屋以上で、3000フラン台、
という、世間知らずなものだった。

事前に、パリのミニコミ誌をいくつか送ってもらい、なんとなく雰囲気をつかんでおくようにと、言われていたものの、フランと円のレートさえも、?、な状態で
結局、日本の住宅状況を参考に夫の給料なんかの比率を考え合わせ、その辺かな?と、見当をつけたもんだ。

しかし、パリといえば、曲がりなりにも大国の首都!
外国は家賃その他が安い、とは言うけれど、首都ともなるとそうはいかない。
巷によく言われる相場は、1uにつき100フラン+管理費ならぼられていない、というもの。
50uで3000フラン、なんて、寝言言ってんじゃねぇ!

と、思っていたのかどうかはとりあえず表に出さず、30分ぐらいかけてミニテルを見てくれた結果、やはり、そんな物件はなし。
もちろん、寝ぼけた希望以外にも、めぼしいもの…旧建築でなく、風呂おけ付き、危険地区は避けて、出来るだけ安くなど…をチェックしてくれていたようだ。

たまたま、翌日が日本語ミニコミ誌OVNIの発行日だったので、それを当てにすることに決定。
同じようにOVNIにて物件探しをする人が多いので、朝一番で行動できるよう、早めに待ち合わせをして、家探し1日目は終了。

 

2日目

朝早くOVNIを手に入れカフェにてチェック。
この風流な状態に浸るまもなく、O氏はどんどん×印を付けいくつかよさげな物を挙げていく。
そして、目の前にある公衆電話にて、見学の予約を取り付けるべく、詳しい話を聞いたりしてくれる。
ミニコミ誌には書いてないアパートの状態など、聞いてみないことには分からないことも多い。
また、もう決まってしまった!というのもいくつかあり、結局3つの見学予約を取り付けてもらった。

1件目

フランス人大家で、サンジェルマン・デ・プレ界隈にあるこのアパート。
旧建築だが新内装・風呂おけ付き・40u2室・エレベーター無し・日本式3階で、4000フラン前半だったかな?
入って、とにかく、わーすごい、ユニーク、仕掛け屋敷のよう!というのが、第一印象。
3階まで歩いて上がって、部屋の戸を開けたら、何故か1階分降りる階段がある!
コンクリート造りのロフトあり、コンクリート造りのベット枠あり、ミニキッチンはクローゼットのようなとこに入っている!
あまりにも?な造りと、目の前がバス道でとてもうるさく排ガスもたまらんという理由で、却下!

2件目

メトロ1番線の東側・バンセンヌの森側にある、フランス人大家のアパート。
1970年代の新建築・40u大スチュディオ・絨毯敷き・風呂おけ付き・エレベータ有り日本式5階・床暖房と水道込み5000フラン弱。
一応20区に入る地区であまり日本人はいなさそうなところだが、下町で、危険な雰囲気は皆無。
下が大きなスーパー・交通の便はめちゃめちゃ良い(バス・RERE・メトロ数線乗り入れ)など、そそる環境である。
が、アパート自体は狭い!まさにワンルームマンションといった感で、キッチンも同じ部屋の中。一面ガラス張り東向きで、明るく日当たり良なんだけども…。
大家に、「早く決めなきゃ、見学者たくさんいるからね」なんて脅されながらもう1件見るまで保留にしておく。

3件目

日本人大家で、1番線の西端にあるこのアパート。
40u大スチェディオ・フローリング・日本式4階・風呂おけ付き・暖房個人・レンガ造りで、やっぱり5000フラン近かったかな。
大きな自動車道を隔てて目の前がセーヌ川。
明るいはずなのに、不吉に暗いイメージだったのは、私が疲れていたせい???
確かに、メトロからアパートまで、人気の無いうらぶれたオフィース街で、なんだか荒れた雰囲気だったんだけども…。
大スチュディオとはいえ、キッチンは別、風呂おけは猫足ので映画にでも出てきそうな素敵なもの。
とりあえず保留…なぜなら…

…悩む…悩む。

2件目の環境に3件目の物件があったら文句無しなんだけど…
どうしよう、まだ他を探した方がいいやろか?などと悩む我々にO氏よりアドバイス。

「2件目、絶対おすすめ。暖房・水道・温水が24時間使い放題・管理人在住で、家賃はあの程度なら、絶対お得。日当たりもいい。なんってたって大家が感じいい!あんな良い大家にめぐり合うのは、いい物件見つけるより難しいよ!2人ならあの広さで、問題ないでしょ?狭かったらまた引っ越せばいい。こういうのは、なかなか見つからないよ。」

などと、なんだか、とにかく、ほれ込んでいる様子。
状況認識の甘い私なんかは、「エー、まだいいノンあるんちゃうん?」何ぞとハテナマークが頭をよぎるが、すっかりくたびれた様子の夫も「ほな、まぁ、じゃぁ、それでええんちゃう?」
ということで、それ、に決定。

その場で,大家にTELし、幸いにも希望の2件目を借りる事に成功!
契約の日を決め,必要書類など,打ち合わせをする。

このアパートは現在ほかの人が入居中で,あと2週間以上待たないと空かないとの事。
現在,夫の会社の近くのホテルに滞在中だが,宿泊費が高い事と、せっかく家が決まったのだから,はやくから近所になじんでおくのもいいだろうとの事で、
アパートの近くで、もう少し安いホテルを探し、移る事にする。

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