図書館

じゅぬびえーぶが最近はまっている、本・映画・CDをご紹介。
図書館で借りることも多いので、将来購入する時の覚え書きになるかなぁ〜♪

「さゆり」アーサー・ゴールデン・文藝春秋・1999年初版(2002年5月読終)
アメリカで出版された元芸者の体験談・メモワール(伝記とは違うらしい)。
フランスでも「Geisya」として翻訳されており、結構読んでいる人を見かけた。
日本趣味なモノによく見られる「ニッポン・フジヤマ・ゲイシャ」=色物、みたいな、変に偏った見方の怪しげな内容だと思っていたのね。
んが、ところがどっこい!コレは素晴らしい!
まず、芸者の世界が、誇張なく、きっちり説明されている(って、私だって、今まで読みかじった本の世界の「芸者」しか知らないんだけど)。
そして言葉が良い!コレは、今は亡き元芸者「さゆり」が、日本語で語ったことを、オランダの歴史家が英語に翻訳して出版したとのこと。その時点で「京言葉を、どう英語に訳すか」で、相当頭を悩ましたらしいが、さもありなん(日本語版は、さゆりが語った、日本語の原稿からそのままひいてきたのかな?)。非常に美しい京言葉で、関西人である私でも、一つ二つわからん言葉が…そしてコレを読んでいる間は、何故か「○○どすえ〜」と、つい言ってしまったりして(笑)。
で、子の作品を一層際立たせたモノにしているのが、小百合の表現力。ものすごく例えがよいのだ!外国人向けを意識したのか、「悲しい」「嬉しい」「恋しい」「落胆した」などの表現にも、いちいち適切でわかりやすく、しかも日本情緒が漂う例えを用いていて、彼女の表現力に感嘆させられる。こういう頭の回る人だったからこそ、祇園で歴史に残る芸妓になったんだと、納得だよ。
とっても面白くって、読み終えるのがもったいなく感じたくらい一冊でした。

 

「陰陽師」2001年・出演者=野村萬斎 伊藤英明 真田広之
若い女性の間でブームとなっている実在した陰陽師・安倍晴明の物語を、豪華キャストで映画化したもの。知る人ぞ知る、このぶーむ。安部清明にまつわる本・漫画の数多いこと!時は平安、烏帽子姿のいい男たちの戦いで、結構嘆美な世界ですよ〜。
あちこちに特撮・CGが用いられていて、大がかりな映画。
内容的には、ははは…漫画ですね〜。
でも、こういう、タンビ〜な世界、結構好きだし、清明さんも好きだし、敵役の真田さんファン(かなり熱演)でもあるし、結構面白かったかな。

 

「紅の豚」ジブリアニメ・1992年作
フランスでは、吹き替えにジャン・レノが参加したというこの作品。大人のための、ロマンティックなお話し。
内容や登場人物の台詞が、ヨーロッパの大人の会話で、すっごく素敵。
だけど、アニメ…たかがアニメで、見る人が限られてしまうのが、惜しい。でも、実写でやると、おそらく興ざめ。
しかし、ジブリアニメって、毎回、専門家の声優以外に、俳優やなんかを使っているが、この試みは、一体成功しているのだろうかね?
今回は、加藤登喜子が、準主役のヒロインをやっていたけど、役がらとしてはすごくぴったりあってるのね。でも、逆にキャラの方が、加藤さんの声に圧倒されてるような印象で、華奢すぎるなぁ。もうちっと、セクシーな姿でも良かったなぁ。
でも、日本であんまり話題にならなかったにしては、意外と良かった作品でした。

 

「千と千尋の神隠し」ジブリアニメ・2001年映画(フランスでは2002年4月の公開)
「Le voyage de Chihiro」というフランス名を付けられた、この作品。フランス公開1か月前に、ベルリン映画祭でトップの賞を獲ったせいか、ものすごい話題作の扱い!
やたらと近所の人から「あの、ナンタラ言う、日本のアニメ映画、知ってる?」と声をかけられるなぁ〜と思ったら、下の写真のように、メトロ広告で、ベタベタ張り出されていました。
原語・フレンチ問わず、公開映画館は、数十にもおよび、すごい騒ぎ。

うちも、子供連れで見に行ってきました。かなり前から、様々な情報を仕入れていて、話の筋も、ナニも(笑)、知り尽くしていたつもりなのに、映画館で見てると、思わず泣かされてしまった…しかも3回も!
ジブリアニメの遠近感・動きなんかは、やっぱり大きな画面で見ないと、もったいない!
すっごく、胸に迫るモノがあります。
って、内容は、別にお涙頂戴物ではないんですよ〜…神様の国に迷い込んでしまった、平凡な少女の冒険物語です。
頑張れ、千尋!

 

「ねないこだれだ」せなけいこ(作・絵)・福音館書店・1969年初版
子供たちが大好きな絵本。
3歳&5歳の子供には、ちょっと簡単すぎ?と思うような、内容・絵なのだけど、図書館へ行くたびに、借りたがる一冊。
Mimiなんかは、暗唱してます。
「夜更かしで寝ない子は、お化けにされてお化けの国へ連れて」行かれるらしく、その行になると、ふたりはバカ受け。
興奮して、ますます、寝付かなくなります。
子供って、お化けを怖がるくせに、お化けのお話が、大好き。
マゾっ気、あり(笑)!?
初版発行年を見ると、これって、ものすごく古い本だ!!
昔から、マゾっ気たっぷりの子供たちに、愛され続けてきたのね(爆)!

 

「女彫刻家」ミネット・ウォルターズ・創元推理文庫・2000年初版(文庫・サスペンス・2002年4月読済)
やられました。
お休み前の読書で、面白すぎて、睡眠妨害をしてくれる本というのは、たまにあるのだけど、これは朝6時まで私を眠らせてくれませんでした(爆)!いやぁ〜、看護婦時代以降 、久々に一睡もせず、朝の小鳥のさえずりを聞くことになるとは、懐かしい…(^^ゞ。
母と最愛の妹を惨殺した殺人鬼を書くことになった、私生活にトラウマを抱えたやる気のないフリーライターの主人公。一見事件とは何の関連もないと思われる、ハードボイルドな恋愛を交えながら、物語はふくらんでいく。見るからに不気味な惨殺犯の内包する真実とは!?最後の最後、すべてのピースがそろった時、物語は爆発する〜〜〜!って、感じですか?もう一回、読もうっかなぁ〜♪この人の他の作品も、探してみよっと。

 

「TEBA〜男の料理」西川治・マガジンハウス・1996年初版(料理本・初版からの愛読書)
この本に惚れてます。
一番最初の出会いは、友人が何気なく勧めてくれた時。借りて一通り読んで、コピーしまくり。
一旦返したモノの、再度借り。
一時帰国時に探したモノの、見つけられず。
いまは、OVNIの図書館で、延長借りしている有様!
帰国したら、絶対、取り寄せして、買うぞ!
だって、どのレシピも、簡単・かつ・おいしそうで、何より、酒のつまみにもってこいっぽいところが、よろしい(笑)!難易度は、どれも中級程度で安定していて、手が込んでいるようで、込んでいない、と言う感じかな。それでいて、味のレパートリーが広くって、和洋(スペイン+マグレブからロシアまで)中,すべてカバーしたレシピの品揃え。また、その料理にまつわる一言物語が、何気ない様子でいながら、ロマンをかき立てる。
何てったって、扱うお肉が「鶏・手羽のみ!」限定なのが、安上がりで良いじゃない(笑)?もちろん、好みで、他の部分にしたり、他のお肉にアレンジしたりすることも可。そういう、想像力を働かせる余地があるところも、よろしい。
このシリーズで、「スジ」「内臓」というのもあり。特に、内臓は、いろんな種類のモノが手にはいる、フランス在住の方に、おすすめ。

 

「HARMONY VOIX (Le Chant des Reves)2枚組みCD・169Fr(FNAC)
2001年作、VIRGIN FRANCE SA
オペラや、本格的な歌唱曲を好む人には、超お勧め。
世界的な有名歌手が歌っている名曲を、CD2枚組で、網羅!
何がいいって、有名オペラのアリアが列挙されているので、今まで聞いたことはあっても、何オペラのアリアか不明だったのが、これで一挙解明したこと!あ〜すっきりした〜。で、オペラの題名がわかったところで、それを実地で聞きに行くと(笑)。
オペラ曲だけでなく、もちろん、アベマリアや、TVでもおなじみの魅惑の歌声、マリア・カラス、パヴァロッティなんかも収録されている。

これをBGMに流していると、「これ聞いたことある!何?」と、友人たちとの会話も弾む!特にフランス人の受けが良い!話題提供に大活躍のCDだよ!

 

「紫蘭の花嫁」乃南アサ・光文社・1996年初版・(文庫ミステリー・2002年2月読済)
1996年に「凍える牙」で直木賞を受賞した、乃南アサ。彼女の作品は、どれも、読み手の推理を受け付けない。妙なわざとらしい伏線をしかないので、最後はいったいどう落ち着くのか、全く想像不可能!ものすごく意外な展開をするし、最後の最後までどいつも犯人に思えるし、どいつも善人に見える。
この作品は、4人の視点から語られ、他の人物は思い出の中にしか語られないのに、物語に時間的・場所的な広がりを感じられ、ぐいぐい引きつけられる。読み進むに従って、どれも悪い奴に思えるから、不思議。
陳腐な題名だけど、一気読みをしてしまう作品。

 

「今日からちょっとワイン通」山田健・草思社・1997年初刊・(ワインうんちく系・2001年10月読済)
サントリーの宣伝部の人が著者。なので、自社のワインの話もちらほら出てくる…サントリーの裏舞台も、なかなか面白い。具体的に日本で気楽に買えるワインを紹介してあったりするので、実用的。
何より、この本に惹かれたのは、ワインに関する定説・うんちくを、一つ一つコミカルに解説・批判・訂正していること。ワインって「奥が深く」って、お高いイメージが一般にあるじゃない?だけど、これを読んだ後では、そんなもん、おそるるに足らず!と、すっきりする。
私にとって何より痛快だったのは、うんちくタレの夫のバイブル「おいしんぼ」をも、きっちりやっつけてくれちゃってること!夫よ、おいしんぼばかりを盲信せずに、こういうのを読め!

 

「死ぬほどいい女」J・トンプスン・扶桑社・1427円
海外ミステリー。著者はアメリカ犯罪ミステリーで有名な小説家。めっちゃ面白そうなんで、読んでみたいなぁ。

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